【本日のミッション】
リストボックスの値リストで選択している複数のデータを全て取得せよ。
目次
ミッションの概要
リストボックスの値リストで選択している複数のデータを全て取得せよ、というのが今回のミッションです。
リストボックスの値リストで、データを複数選択できるようにする設定(Excel VBA) で作成したリストボックスの下に
- 値リストで複数選択しているデータを取得するコマンドボタン
を作り、複数選択しているデータをダイアログ表示します。
ユーザーフォームにコマンドボタンを追加する
ユーザーフォームを表示させる
画面左のプロジェクトエクスプローラーから、ユーザーフォームをダブルクリックして表示させます。
ツールボックスを表示させる
ツールボックスを、下記方法で表示させます。
ツールボックスを表示する方法1
[表示]-[ツールボックス]
ツールボックスを表示する方法2
標準ツールバーの[ツールボックス]ボタンをクリックします。
標準ツールバーが表示されていない場合は、[表示]-[ツールバー]-[標準]で表示されます。
ユーザーフォームにコマンドボタンを配置する
ツールボックスから「コマンドボタン」をクリックします。
リストボックスの下にコマンドボタンを作成します。
リストボックス・コマンドボタンの位置は、程よく調整します。
左のプロパティウインドウで確認すると、コマンドボタンのオブジェクト名が「CommandButton1」ということが確認できます。
この「CommandButton1」というオブジェクト名を「データを取得」、Captionも「データを取得」に変更します。Captionを変更することで、ボタンの表示名が「CommandButton1」から「データを取得」に変更されます。
値リストで複数選択しているデータを取得するコードを、コマンドボタンに設定
[データを取得]ボタンをダブルクリックすると、コードウィンドウが表示され、下記コードが追加されています。
「Private Sub 〇〇〇_Click()」に書いた処理は、〇〇〇をクリックした時に行われます。
Private Sub データを取得_Click() End Sub
ここに[データを取得]ボタンをクリックした時の動作を追加します。
- 「ListBox1」でデータが選択されていない時のダイアログ表示
- 「ListBox1」で選択しているデータをダイアログ表示
Private Sub UserForm_Initialize() Dim ary_d 'リストに設定するデータ用配列 ary_d = Worksheets("サザエさん").Range("A2:D9") With ListBox1 .MultiSelect = fmMultiSelectExtended '複数選択 .ColumnCount = 4 '表示列数 .ColumnWidths = "40;45;40;40" '列幅 .List = ary_d '参照範囲 End With End Sub Private Sub データを取得_Click() Dim i As Long 'カウンター Dim namae As String '名前 For i = 0 To ListBox1.ListCount - 1 'データが選択されている場合 If ListBox1.Selected(i) = True Then '選択データの取得 namae = namae & ListBox1.List(i, 1) & vbCrLf End If Next i '選択データの表示 If namae = "" Then MsgBox "何も選択されていません。" Else MsgBox namae End If End Sub
ユーザーフォームを表示して動作を確認
このコード内にカーソルを置いたまま、[F5]キーをクリックすると(ユーザーフォームの実行)ユーザーフォームが表示されます。
配列に入れるデータの参照先にシート名が含まれていないと、アクティブになっているシートのセルデータが使用されるので注意が必要です。シート名を参照先に含めていない場合は、参照データのシートをアクティブにしてからマクロを実行してください。
ary_d = Worksheets("サザエさん").Range("A2:D9")
「配列」参照:セル範囲を一気に変数(配列)に入れる ~バリアント型(Variant)変数を配列として使用する~(Excel VBA)
メイン画面が表示されます。
値リストから複数のデータを選択し、<データを取得>ボタンをクリックします。
選択しているデータ全てがダイアログ表示されます。
今回は、[閉じる]ボタンを付けていないため[×]ボタンでユーザーフォームを閉じます。
Selectedプロパティ
Selectedプロパティには「リストボックスで指定した行の選択状況を調べる」「リストボックスのデータの選択・選択解除」の機能があります。
リストボックスで指定した行の選択状況を調べる
リストボックスで指定した行が、選択されているか、選択されていないかを調べます。
リストオブジェクト.Selected(選択状況を調べたい行位置)
「選択状況を調べたい行位置」は値リストの一番上の項目を「0」として数えます。
選択されている行は「True」、選択されていない行は「False」を返します。
値 | 内容 |
---|---|
True | リスト ボックスの項目は選択されています。 |
False | リスト ボックスの項目は選択されていません。 |
リストボックスのデータの選択・選択解除
値リストの行を選択したり、選択解除したりします。
リストオブジェクト.Selected(選択状況を設定する行位置)=選択状況
「選択状況を設定する行位置」は値リストの一番上の項目を「0」として数えます。
選択状況に「True」を指定すると選択し、「False」を指定すると選択解除します。
ListBox1.Selected(3) = True
ListBox1.Selected(3) = False
選択状況 | 内容 |
---|---|
True | 指定した行位置の項目を選択します。 |
False | 指定した行位置の項目の選択を解除します。 |
ListCount プロパティ
リストボックスに設定済の値リストの項目数を取得します。
ListBox1.ListCount
値リストの一番上を「1」件目としてカウントするので、下記リストの項目数は「8」件になります。
Listプロパティ
値リストで指定した「行」「列」のデータを取得
Listプロパティと言えば、リストボックスに値リストを設定するプロパティなのでは?
(参照:リストボックスにListプロパティを使って配列に格納した複数列のセルデータを値リストとして設定(Excel VBA))
その他にListプロパティには、設定した値リストから「行」「列」を指定してデータを取得する機能もあります。
リストボックスオブジェクト.List(値を取得したい行,値を取得したい列)
値を取得したい行:値リストの1行目を「0」として数えます。
値を取得したい列:値リストの1列目を「0」として数えます。
値を取得したい行も値を取得したい列も、省略した場合は「0」が指定されます。
今回は「値を取得したい行」に「ListBox1.ListIndex」を指定しています。
ListIndexプロパティは、リストボックスで選択しているデータの行位置(インデックス値)を取得します。インデックス値は、1行目を「0」として数えます。
(参照:リストボックスで選択しているデータがリストの上から何番目(インデックス値)かを取得(Excel VBA))
値を取得したい行=3
値を取得したい列=1
と指定しているので、結果は「マスオ」さんになります。
データが選択されていないときの値
Listプロパティでデータを取得する際、値リストから何も選択されていないと下記エラーが表示されます。
実行時エラー '381': Listプロパティの値を取得できません。プロパティの配列のインデックスが 無効です。
値リストからデータが選択されていない場合、「ListBox1.ListIndex」は「-1」を返します。値リストの行に「-1」は無いのでエラーになります。
下記コードで、エラー回避をする必要があります。
If ListBox1.ListIndex = -1 Then
MsgBox "データが選択されていません。"
Else
MsgBox ListBox1.List(ListBox1.ListIndex, 1)
End If
【参考】
VBA(マクロ)作成の前、リボンに開発タブを表示させる(Excel VBA)
ユーザーフォームの作成方法 準備(Excel VBA)
ユーザーフォームのオブジェクトの名前を「UserForm1」から変更する方法(Excel VBA)
ユーザーフォームの上のバー(タイトルバー)の名前を「UserForm1」から変更する(Excel VBA)
ユーザーフォームのオブジェクトウィンドウとコードウィンドウを表示切替させる方法(Excel VBA)
「オブジェクト名が不正です」を出さないようにユーザーフォームオブジェクト名を命名規則に従って変更(Excel VBA)
エクセルファイルが開いた時にユーザーフォームを表示させる方法(Excel VBA)
エクセル フォームのラベルのテキストを縦書きにする方法(Excel VBA)
AddItemメソッドを使ってリストボックスの値リストを設定する(Excel VBA)
RowSourceプロパティを使ってセル範囲とリストボックスの値リストをリンク設定させる(Excel VBA)
RowSourceプロパティでリンク設定したリストボックス値リストにデータを追加・削除する(Excel VBA)
リストボックスにListプロパティを使って 配列に格納したセルデータを値リストとして設定する(Excel VBA)
既存のリストボックスの値リストにAddItemメソッドでデータを追加する(Excel VBA)
既存のリストボックスの値リストのデータを、Clearメソッドで全て削除して初期化する(Excel VBA)
既存のリストボックスの値リストの項目を1件 RemoveItemメソッドで削除する(Excel VBA)
リストボックス リストから初期値としてはじめに選択しておく値を設定する(Excel VBA)
リストボックスの値リストに設定された項目の件数を取得する(Excel VBA)
RowSourceプロパティを使って 複数列のセル範囲とリストボックスの値リストをリンク設定(Excel VBA)
リストボックスにListプロパティを使って配列に格納した複数列のセルデータを値リストとして設定(Excel VBA)
リストボックス 複数列の値リストの列幅を変えたり非表示にしたりする設定(Excel VBA)
リストボックスで選択しているデータがリストの上から何番目(インデックス値)かを取得(Excel VBA)
リストボックス 1列の値リストで選択しているデータをTextプロパティで取得(Excel VBA)
リストボックス 1列の値リストで選択しているデータをValueプロパティで取得(Excel VBA)
リストボックス 1列の値リストで選択しているデータをListプロパティで取得(Excel VBA)
リストボックス 複数列の値リストで選択しているデータを、列指定してTextプロパティで取得(Excel VBA)
リストボックス 複数列の値リストで選択しているデータを、列指定してValueプロパティで取得(Excel VBA)
リストボックス 複数列の値リストで選択しているデータを、列指定してListプロパティで取得(Excel VBA)
指定した行(インデックス値)のデータをリストボックスの値リストから選択する(Excel VBA)
リストボックスの値リストに列見出しを表示する設定/ColumnHeadsで見出しが設定できない理由(Excel VBA)
リストボックス値リストAddItemメソッド・RowSourceプロパティ・Listプロパティ違い Excel VBA
リストボックス TextプロパティとValueプロパティの違い(Excel VBA)
リストボックスに重複しないユニークな値リスト(1列)を設定する(Excel VBA)
リストボックスに重複しないユニークな値リスト(複数2列)を設定する(Excel VBA)
リストボックスに重複しないユニークな値リスト(複数列 3列以上)を設定する(Excel VBA)
リストボックスの値リストで、データを複数選択できるようにする設定(Excel VBA)
リストボックスの値リストで選択している複数のデータを全て取得する(Excel VBA)