【本日のミッション】
Excel VBAからワードを起動して文字を入力操作せよ。
ミッションの概要
Excel VBAからワードを起動して文字を入力操作せよ、というのが今回のミッションです。
Wordアプリケーションは、セルやシートと違って、Excel上には存在しない外部オブジェクトです。
Excelでは、「Word.Application」というオブジェクトを使って、Wordを操作する(作成、削除、移動、入力、コピー等)ことができます。
「Word.Application」を使用するには、下記の何れかの方法で準備をする必要があります。
- 参照設定を利用する方法
- CreateObject 関数を利用する方法
参照設定を利用する方法
VBE画面の参照設定を利用する方法です。
【利用方法】
- VBE画面[ツール] ー [参照設定] をクリックします。
「Microsoft Word XX.X Object Library」にチェックを入れて<OK>ボタンをクリックします。
参照設定が完了したら、下記コードの実行が可能になります。Sub ExcelからWord起動入力操作_参照設定必要() '【変数】 Dim wdApp As Word.Application '■画面更新の停止 Application.ScreenUpdating = False '■Wordの準備 Set wdApp = New Word.Application '■Wordの可視化 wdApp.Visible = True '■新規文書の作成 wdApp.Documents.Add '■文字の入力 wdApp.Selection.TypeText Text:="ExcelからWordへようこそ♪" '■変数の解放 Set wdApp = Nothing '■画面更新の再開 Application.ScreenUpdating = True End Sub
- 変数「wdApp」をWord.Applicationとして宣言します。
Dim wdApp As Word.Application
変数の宣言で「Dim wdApp As Object」としてしまうとVBAのエラーはでませんが、インテリセンス機能(自動メンバー表示)が利用できませんのでご注意ください。
- Newキーワードを使って、変数「wdApp」にWord.Applicationをセットします。
Set wdApp = New Word.Application
この記述をすることで、変数「wdApp」をWord.Applicationとして使うことができます。
- Word.Applicationを可視化します。
この記述で、画面上にWordアプリケーションが表示されます。wdApp.Visible = True
- 新規文書を作成します。タイトルバーが「Word」から「文書1 – Word」に変わります。
wdApp.Documents.Add
↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓
- Wordに文字を入力します。
wdApp.Selection.TypeText Text:="ExcelからWordへようこそ♪"
- 処理の最後に、変数「wdApp」を解放します。
Set wdApp = Nothing
【メリット】
- VBE上でWord.Applicationに関するインテリセンス機能(自動メンバー表示)を使うことができます。
メンバーが表示されるので、入力ミスが減ります。
【デメリット】
- 参照設定をしていないと、変数「wdApp」の宣言の処理でエラーが出てしまいます。
コンパイルエラー:ユーザ定義型は定義されていません。
CreateObject 関数を利用する方法
関数を利用して、Word.Applicationを使えるようにする方法です。参照設定をしていなくても利用できます。
【利用方法】
Sub ExcelからWord起動入力操作_参照設定不要() '【変数】 Dim wdApp As Object '■画面更新の停止 Application.ScreenUpdating = False '■Wordの準備 Set wdApp = CreateObject("Word.Application") '■Wordの可視化 wdApp.Visible = True '■新規文書の作成 wdApp.Documents.Add '■文字の入力 wdApp.Selection.TypeText Text:="ExcelからWordへようこそ♪" '■変数の解放 Set wdApp = Nothing '■画面更新の再開 Application.ScreenUpdating = True End Sub
- まず、変数「wdApp」をObjectとして宣言します。
参照設定をしていないので、「Word.Application」への宣言はできません。Dim wdApp As Object
- 次に、CreateObject関数を利用して、変数「wdApp」にWord.Applicationをセットします。
Set wdApp = CreateObject("Word.Application")
この記述をすることで、変数「wdApp」をWord.Applicationとして使うことができます。
- Word.Applicationを可視化します。
この記述で、画面上にWordアプリケーションが表示されます。wdApp.Visible = True
- 新規文書を作成します。タイトルバーが「Word」から「文書1 – Word」に変わります。
wdApp.Documents.Add
↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓↓
- Wordに文字を入力します。
wdApp.Selection.TypeText Text:="ExcelからWordへようこそ♪"
- 処理の最後に、変数「wdApp」を解放します。
Set wdApp = Nothing
【メリット】
- 参照設定不要!関数の利用だけで、簡単なコードの記述で利用することができます。
【デメリット】
- VBE上でWord.Applicationに関するインテリセンス機能(自動メンバー表示)が効かなくなります。
Word.ApplicationはExcel上のオブジェクトではないので、参照設定をしないとインテリセンス機能が働きません。
↓これがインテリセンス機能(自動メンバー表示)です。
インテリセンス機能(自動メンバー表示)が働かないと、入力ミスの可能性が生じます。
この機能が必要な方は、参照設定をご利用ください。
最後のNothingの必要性
どちらのコードも処理の最後に
Set wdApp = Nothing
と、変数「wdApp」を解放するコードが必要です。
Word.Applicationのインスタンスが、メモリ上にずっと残ってしまうことがあるからです。
それがどういう状況なのかはわからないのですが、私も長時間マクロ処理をしていると処理が遅くなっていく現象に見舞われることがあります。
そんな時は、Excelと一旦閉じて再度立ち上げると、その現象は解消されます。
そんなこともあり、オブジェクト変数は最後に「Nothing」として、メモリ上から消すように心がけています。
Selection.TypeText メソッド
指定したテキストを、Wordのカーソル位置に挿入します。
wdApp.Selection.TypeText Text:= Wordのカーソル位置に挿入したい文字列
今回は、Wordを立ち上げたばかりで1行目にカーソルがあるため、1行目に指定した文字列が挿入されます。
wdApp.Selection.TypeText Text:="ExcelからWordへようこそ♪"
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