前回の記事では、WindowProc方式によるドラッグ&ドロップ実装が利用できなかった理由について調査しました。
Copilotから提案された方法では、
- SetWindowLongPtr
- CallWindowProc
- WM_DROPFILES
を利用して、Windowsから送られるドラッグ&ドロップ通知を受信する予定でした。
しかし実際には、
- hWndが取得できない
- ThunderDFrameが見つからない
- WindowProcを書き換えられない
- WM_DROPFILESが届かない
という状態になっていました。
その結果、WindowProc方式そのものが成立しないことが分かりました。
そこで私は、それなら別の方法はないのだろうか?と思いました。
そこでCopilotから提案されたのが、OLEDragDrop という方法です。
今回は、その検証結果について書いていきます。
OLEDragDropとは何なのか
利用者 → Copilot
WindowProcが使えないなら別の方法はありませんか?
Copilot → 利用者
あります。 OLEDragDropを利用する方法です。 OLEDragDropはWindowsメッセージを横取りする必要がありません。 コントロール自身がドラッグ&ドロップを受け取れます。
この時は、今度こそいけるかもしれない!先にその方法教えてよーと思いました。
WindowProcは難しすぎましたし、hWnd問題にも悩まされていました。
しかしOLEDragDropなら、もっとVBAらしい方法に見えました。
OLEDragDropイベントとは
利用者 → Copilot
OLEDragDropとは何ですか?
Copilot → 利用者
OLEDragDropは、ファイルや文字列などがドラッグ&ドロップされた時に発生するイベントです。 例えば、 TextBox PictureBox TreeView など一部のコントロールでは、 Private Sub Control_OLEDragDrop( _ Data As MSForms.DataObject, _ Effect As Long, _ Button As Integer, _ Shift As Integer, _ X As Single, _ Y As Single) End Sub というイベントが利用できます。 ここでDataObjectからファイルパスを取得できます。
説明だけ聞くと、これこそやりたかった方法です。もっと早くに聞きたかった!
Windows APIも不要です。
WindowProcも不要です。
WM_DROPFILESも不要です。
ListBoxにOLEDragDropを書こうとした
利用者 → Copilot
ListBoxへファイルをドロップしたいです。
Copilot → 利用者
それではListBoxのOLEDragDropイベントを作成してください。
そこで私はListBoxのプロパティを開きます。
しかし・・・見当たりません。

利用者 → Copilot
OLEDragDropがありません。
Copilot → 利用者
もう一度イベント一覧を確認してください。
私は何度も確認しました。しかし存在しません。
Labelでも試した
もしかするとListBoxだけが駄目なのかもしれない。
そこでLabelでも試してみましたが、結果は同じです。
イベント一覧に、
- OLEDragDrop
- OLEDragOver
がありません。
利用者 → Copilot
Labelにもありません。
Copilot → 利用者
それは重要な情報です。
ここから調査が始まりました。
そもそもイベントが存在しなかった
Copilotとの検証を進めた結果、意外な事実が分かりました。
利用者 → Copilot
なぜ表示されないのですか?
Copilot → 利用者
Excel VBAの標準ListBoxとLabelは、 OLEDragDropイベントを持っていません。
「持ってへんのかーい!」
思わず叫んでしまいました(笑)
今まで、
- 書き方が悪い
- 設定が足りない
- 参照設定が不足している
と思っていました。
しかし・・・最初から存在しなかったのです。
DataObjectも受け取れない
利用者 → Copilot
ではファイルパスはどうやって取得するのですか?
Copilot → 利用者
取得できません。 OLEDragDropイベントが存在しないため、 DataObjectも受け取れません。
「できひんのかーい!」
つまり、
ファイルをドロップする
↓
イベント発生なし
↓
DataObjectなし
↓
ファイルパス取得不可
という状態になります。
実際に試したコード
利用者 → Copilot
強引に書いたら動きませんか?
Copilot → 利用者
コンパイルエラーになります。 例えば次のようなコードです。 Private Sub ListBox1_OLEDragDrop( _ Data As MSForms.DataObject, _ Effect As Long, _ Button As Integer, _ Shift As Integer, _ X As Single, _ Y As Single) MsgBox "ドロップされました" End Sub しかし、このイベント自体が存在しないため、VBAは認識できません。
「動かへんのんかーい!」
イベントを書いても発火しない、という状態になります。
初心者向けに例えると
ここはかなり分かりにくい部分です。
例えば、インターホン付きの家を想像してください。
来客が来る
↓
インターホンが鳴る
↓
応答する
これがOLEDragDropです。
ところが今回のListBoxとLabelは、そもそもインターホンが付いていません。
だから、誰かが来ても鳴らない・・・という状態になります。
最終的に分かったこと
ここまでの検証で、ドラッグ&ドロップを実現するために考えられる方法をほぼ試しました。
まず、WindowProc方式を試しました。
しかし、
- hWndが取得できない
- ThunderDFrameが見つからない
- WM_DROPFILESが届かない
という問題が発生しました。
次に、OLEDragDrop方式を試しました。
しかし、
- ListBoxにイベントがない
- Labelにイベントがない
- DataObjectが取得できない
という問題が発生しました。
つまり、Windows API方式も駄目、OLEDragDrop方式も駄目 という結果になったのです。
代替UI挑戦編の結論
ここまでかなり長い期間、Copilotと何度もキャッチボールを続けました。
コードを書き換える。
APIを追加する。
別案を試す。
また検証する。
その繰り返しです。
しかし最終的に分かったのは、私がやろうとしていたListBoxへ直接ファイルをドラッグ&ドロップするという仕組みは、私のExcel環境では実現できない可能性が非常に高い・・・ということでした。
もちろん環境が違えば結果も変わるかもしれません。
しかし少なくとも私の環境では、何度コードを書き換えても解決できませんでした。
まとめ
今回の検証では、WindowProc方式の代替として、OLEDragDrop方式を調査しました。
OLEDragDropは、ドラッグ&ドロップされたデータをイベントとして受け取れる便利な仕組みです。
そのため、Windows APIを使わずに実装できる可能性があり、かなり期待していました。
しかし実際に確認すると、Excel VBA標準のListBoxやLabelにはOLEDragDropイベント自体が存在しませんでした。
その結果、
イベントが発生しない
DataObjectが取得できない
ファイルパスを取得できない
という状態になりました。
つまり、
WindowProc方式も利用できない
OLEDragDrop方式も利用できない
ということが分かったのです。
これで、ListView代替UI計画で考えられる主要なドラッグ&ドロップ方式はほぼ検証し終えました。
結果として実装には至りませんでしたが、その過程でWindows API、hWnd、WindowProc、OLEDragDropなど、普段は触れることのない仕組みを学ぶことができました。
そして何より、AIが提案したコードが動かない時は、コードだけではなく環境そのものを疑う必要がある、という大きな学びを得ることができました。
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