エクセル 選択セル範囲の図形を削除する(Excel VBA)

【本日のミッション】

エクセルの選択しているセル範囲の図形を削除せよ。

ミッションの概要

エクセルの選択しているセル範囲の図形を削除することが、今回のミッションです。

エクセル 選択セル範囲の図形を削除する(Excel VBA)


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エクセル 選択セル範囲の図形を削除する(Excel VBA)
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プロシージャ

選択セル範囲の図形を削除するシートをアクティブにした状態で、Alt+F11でVsual Basic Editerを起動します。

[挿入]-[標準モジュール]で新規モジュールを作成し、下記の通りコードを記入します。

Sub 選択セル上の図形削除()
    '【変数】
    Dim ran As Range    '図形配置セル
    Dim shp As Shape    'オブジェクト

    '■セルを選択しているか確認
    If TypeName(Selection) <> "Range" Then
        Exit Sub
    End If
 
    '■アクティブシートのオブジェクトを順に処理
    For Each shp In ActiveSheet.Shapes
     
        '■オブジェクトが図形か判定
        If shp.Type = msoAutoShape Then
 
            '■図形配置セルを変数ranにセット
            Set ran = Range(shp.TopLeftCell, shp.BottomRightCell)
            
            '■図形配置セルと選択セルが重なっていたら図形を削除
            If Intersect(ran, Selection) Is Nothing = False Then
                shp.Delete
            End If
        End If
    Next
End Sub

記入したプロシージャ(Sub~End Subまで)のどこかにカーソルを置いてF5キーをクリックしてください。

選択セル範囲にある図形が全て削除されます。

エクセル 選択セル範囲の図形を削除する(Excel VBA)


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エクセル 選択セル範囲の図形を削除する(Excel VBA)

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Intersectメソッド

引数に指定した、複数のセル範囲の重なっているRangeオブジェクトを返します。
重なりがない場合は「Nothing」を返します。

Intersect(セル範囲1, セル範囲2, ・・・, セル範囲30)
引数説明省略
セル範囲1セル範囲 (Range オブジェクト) を指定します。
セル範囲2セル範囲 (Range オブジェクト) を指定します。
セル範囲3~セル範囲30セル範囲 (Range オブジェクト) を指定します。

引数に指定したセル範囲に重なっている部分がある場合は、Rangeオブジェクトを返します。
重なっているセル範囲のアドレスを調べるには、下記例のようにAddressプロパティを使います。

MsgBox Intersect(Range("B3:E10"), Range("E10:F12")).Address

エクセル 選択セル範囲の図形を削除する(Excel VBA)

エクセル 選択セル範囲の図形を削除する(Excel VBA)

引数に指定したセル範囲に重なっている部分がない場合は、「Nothing」を返します。
「Nothing」を返しているかを調べるには、下記例のように「Is Nothing」を後ろにつけます。「True」となったら「重なるセル範囲は無い」と判断します。

MsgBox Intersect(Range("B3:E10"), Range("F11:G13")) Is Nothing

エクセル 選択セル範囲の図形を削除する(Excel VBA)

エクセル 選択セル範囲の図形を削除する(Excel VBA)

 ←重なるセル範囲は無い

逆に、「False」となるときは「重なるセル範囲はある」と判断します。

MsgBox Intersect(Range("B3:E10"), Range("E10:F12")) Is Nothing

エクセル 選択セル範囲の図形を削除する(Excel VBA)

エクセル 選択セル範囲の図形を削除する(Excel VBA)

←重なるセル範囲はある
今回は、図形配置セルの変数「ran」と、選択しているセル「Selection」で、重なっているセル範囲があるかどうか判定しています。

シート内に複数のオブジェクトがあるので、For Eachを使って順に処理していきます。「If shp.Type = msoAutoShape Then」で図形のみを処理するようにしています。

1つ目の図形のセル範囲「ran」選択セル「Selection」に重なりがある場合は、図形を削除します。

エクセル 選択セル範囲の図形を削除する(Excel VBA)

2つ目以降の図形のセル範囲「ran」も順に選択セル「Selection」に重なりがあれば、図形を削除していきます。
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セルを選択しているか確認 TypeName関数

引数に指定した値の情報を返します。

TypeName(値)

今回は選択しているものが「セル」かどうかを判定しています。
セルを選択している場合、「Range」を返します。図形オブジェクトを選択している時は「Picture」を返します。

If TypeName(Selection) <> "Range" Then

For Eachとは

For Each 変数 In コレクション
    ***処理***
Next 変数  

とすることで、コレクションの中にあるもの1つ目から順に変数に入れて、Nextまでの処理を行い、コレクション内にあるもの全ての処理が終わったらNext以降の処理に移ります。

ActiveSheet.Shapesアクティブシート内のShapeコレクションオブジェクト全てのことです。その1つ目から順に変数「shp」として処理していきます。

全てのShapeコレクションオブジェクトの処理が済んだら、For Eachを抜けて次の処理に移ります。

Dim shp As Shape     'オブジェクト

For Each shp In ActiveSheet.Shapes
    ***shpを使用する処理***
Next shp

Shape.Typeプロパティ

Shapeオブジェクトが、どの種類のオブジェクトか判定するのに、下記Typeプロパティを使用します。使用頻度の高いTypeのみ記載しておきます。

定数説明
msoAutoShape1図形・オートシェイプ
msoCallout2吹き出し
msoChart3グラフ
msoComment4コメント
msoFreeform5フリーフォーム
msoGroup6グループ化された図形
msoFormControl8フォームコントロール
msoLine9
msoLinkedPicture11リンク画像
msoPicture13画像
msoTextBox17テキストボックス
msoCanvas20描画キャンバス
msoSmartArt24スマートアート

今回はShapeオブジェクトのタイプが、図形「msoAutoShape」かどうか判定しています。

If shp.Type = msoAutoShape Then

図形が配置されているセル範囲の取得 TopLeftCell・BottomRightCell

TopLeftCellは、Shapeオブジェクトの左上のセルを取得します。
BottomRightCellは、Shapeオブジェクトの右下のセルを取得します。

Shapeオブジェクト.TopLeftCell
Shapeオブジェクト.BottomRightCell

TopLeftCellBottomRightCellを使って、図形が配置されているセル範囲を取得することができます。
下記例は、図形を変数「shp」として処理しています。

MsgBox Range(shp.TopLeftCell, shp.BottomRightCell).Address

エクセル 選択セル範囲の図形を削除する(Excel VBA)

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図形配置セルを変数にセット Setステートメント

今回は可読性を上げるために、図形が配置されているセル範囲を変数ranにセットしています。

Rangeオブジェクトをセットする変数は、あらかじめ「Range」のデータ型で宣言しておきます。Setステートメントで、変数にRangeオブジェクトをセットすることができます。

Dim Rangeオブジェクト変数 As Range
Set Rangeオブジェクト変数 = Rangeオブジェクト

下記は、Rnageオブジェクト変数ranに、セル範囲 Range(shp.TopLeftCell, shp.BottomRightCell)をセットしています。

Dim ran As Range
Set ran = Range(shp.TopLeftCell, shp.BottomRightCell)

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